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ラスベガスのホテル発展史

「24時間眠らない街」として有名なラスベガス。最近ではエンターテイメントシティーとして、全米だけでなく世界中でその人気を誇るようになった。しかし、ラスベガスの歴史は意外に浅く、およそ150年前はただの広大な砂漠地帯でしかなかった。

ラスベガス市は1905年に産声を上げる。その翌年、ラスベガスの歴史上初の宿泊施設とカジノを組み合わせたネバダホテルが誕生する。1931年、ラスベガスは、ネバダ州でのギャンブル合法化という転機を迎える。さらに時を同じくして、現在、ネバダ州・カリフォルニア州・アリゾナ州に大切な水源を供給しているフーバーダムの建設がラスベガスに隣接するボールダー市で始まった。ボールダー市では政府の目が厳しいため、ギャンブルができなかった。そのため建設労働者たちが休日を利用してラスベガスに遊びに来るようになった。ダム完成後は、生活に必須である水道・電気が供給可能になったため、人口が増えていく足がかりとなる。

こうしてラスベガスは発展の端緒を得るが、現在では世界最大のホテル通りと名高いラスベガス=ブルーバード(通称ストリップ)でさえ当時はまだ砂漠地帯だった。

そんな中、1941年にエル=ランチョ=ホテルが誕生する。このホテルはロサンゼルスなどからフリーウェイを走ってくる人々をターゲットに一際目立つネオンなどで興味を喚起し、連日、満室というくらいの盛況ぶりとなった。それに続けとばかりに、遊園地併設のホテル・ラスト=フロンティア"が開業する。このことが相乗効果を生み、ストリップに訪れる客は次第に増加しはじめた。これに注目したバグジーことベンジャミン=シーゲルは、リゾート地としての、そして著名人や俳優たちの社交場としてのラスベガスを全米に知らしめるべく、1946年にフラミンゴ(現在のフラミンゴ=ラスベガス)を開業させた。このホテルのコンセプトは、エレガントなデザインとゆったりとした空間、そして贅沢な造りのカジノフロアーと最高のエンターテイメントの興行であった。

しかし、当初の建設費が多額だったため赤字経営が続き、一時は閉業に追い込まれてしまう。それでも収入は莫大であったため、すぐに経営は軌道を取り戻した。余談だが、このホテルの生い立ちは、映画『バグジー』の中で見ることができる。

この成功をきっかけに、ラスベガスへの資本投資が活発になり、ダウンタウンにゴールデン=ナゲットフレモントなどのたくさんのカジノホテルがオープン。そしてストリップ沿いにもデザート=イン・サハラ・サンズ・リヴィエラが続々とオープンしていった。加えて、フランク=シナトラやサミー=デービスJr.・エルビス=プレスリーなど、歴史に残る数々のスターがラスベガスから生まれ、また最高のエンターテイナーが集まる場所として、ラスベガスはエンターテイメントの中心地としての地位を確立していく。この後、今に続くエンターテイメントシティーとしてラスベガスは目覚ましい発展を遂げていく。

1950年代ごろ、保守化の進む米議会では賭博に対する厳しい風潮が強まり、その影響はラスベガスにも及んだ。不透明な経営をしているカジノの取り締まりや、果てはネバダ州でのカジノ禁止が要求されるまでになった。ネバダ州政府は賭博産業の火を絶やすまじと、経営の健全化をはかろうと、カジノホテルからのマフィアの排除に努めた。その甲斐あってカジノ経営の透明化、信用度の上昇が促された。この結果、ニューヨーク株式市場に上場しているヒルトンホリデー=インMGMなどの大手企業の進出が莫大な資金をラスベガスにもたらした。

1966年、テーマパークホテル第一弾としてシーザーズパレスがオープンする。このホテルは、トム=クルーズがダスティン=ホフマンにダンスを教えるという映画『レインマン』のシーンで有名なスイートを擁するホテルである。

その翌年には、家族連れをターゲットにしたサーカス=サーカスも開業し、現在次々と登場している家族向けのホテルのテーマパーク化を勢いづけることとなり、それを受けて1989年、ミラージュ=ホテルが誕生する。

更にそれに続けとばかりエクスカリバールクソールトレジャーアイランドMGMグランド、そして、ラスベガスで最も人気のあるショッピングモールとなるフォーラム=ショップ(このモールは日本にあるヴィーナス=フォートを手がけたデザイナーが考案したもの)などが次々とオープンする。

ベラッジオ

しかし90年代後半になると、ファミリー自体を対象にしたホテルにも限界が見え始める。格安であった子供向けのアトラクションが閉鎖したり、または料金の値上げに踏み切り始めた。家族向けホテルの凋落を予想していたかのように1998年、大人向けエンターテイメントホテル・ベラッジオがオープンする。しかも「18歳未満の宿泊客はお断り」といった大人向けの徹底ぶりである。その流れに呼応するように、ヴェネチアンパリスが開業した。

今後、ラスベガスのトレンドはファミリーよりも大人向き、または、高級嗜好のエンターテイメント重視にシフトしていくと思われる。

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